まず幸福を定義せよ!【鴻上尚史「幸福のヒント」】【文庫本】

鴻上さんの本、読むのが3冊目になりました。気張らず、おだやかな気持ちで読めるので、好きです。

ところで、あなたは幸福になりたいですか?私はもちろんなりたいです。
それでは、あなたが幸福を感じることを、明確に言えますか?

この本の言いたいことは、以下のとおりです。
「幸福をぼやーっとした頼りないイメージでとらえていては、幸福になれませんよ。まずやるべきことは、あなたにとっての幸福をきっちり定義しなさい!」

幸せになる手順を知りたい、という方におススメです。

幸福を「定義」するためのヒント

この本のタイトルは「幸福のヒント」です。この意図するところは、「幸福になるためのヒント」ではありません。そのひとつ前の段階の「自分にとっての幸福を考えるヒント」のことを言っています。

「私は何を幸福だと感じるのか?」

旅の目的はひとつです。どんなに時間がかかっても、どんなに試行錯誤しても、どんなに苦しんでも、どんなに迷っても、旅の目的が明確なら、旅の苦労の半分はもうすでに終えているようなものです。

幸福のヒントを読む前に

「なにを幸福と感じるか」を決めないと、そこにたどりつけません。気がついたら、思ったのと違うところに着いてしまう可能性だってあります。なので、まず「自分にとっての幸福をまず決めましょうよ」っていうはなしです。

「自分にとっての幸福」を考えるヒントを、45示してくれています。鴻上さんが経験したエピソードと、箇条書きのヒントで構成されています。具体的エピソードを話してくれているので、「なるほどね~」とスーッと腑に落ちる感じです。

心にささったヒント3つ

10 本当に飢えてみる

中途半端に退屈を解消してくれるものから一定期間、距離をとるのです。ネット環境や携帯電話やテレビやマンガや友達や、あらゆる「あなたの退屈を紛らわせてくれるもの」から離れるのです。

情報であふれかえっている今、あなたが幸福と思っているものは、ほんとうにあなたの幸福ですか?ほかの人の幸福とすり替わっていませんか?

たとえば、タレントや有名なYouTuberなどがやっていることをまねて、リア充を演出してみたりしていませんか?それであなたはほんとに幸せを感じていますか?というようなことです。

鴻上さんは、 情報を遮断するために、なにもない退屈な場所へ旅に出ることを推奨されています。それができればいいのですが、情報を厳選して、いつもより少なくするくらいなら、すぐできそうです。

わたしはYouTubeのチャンネル登録を減らしたり、ネットニュースを見ないように、スマホのアプリを消してみたりしました。

16 0か100かを目指さない

100点ではなく73点のものと出会った時に、「100点じゃないからいいや。100点じゃないものは、わたしには0点ということだから」と決めつけては、もったいないし、きつい人生を生きているなあと思うのです。

いわゆる「白黒思考」というやつですね。完璧じゃないものはダメなもの、っていう考え方です。たしかに、この考え方だと、ほとんどがダメなものになってしまい、幸せとはほど遠い感じです。

ところで、わたしは「引きこもって、ひとりでいたい」という願いがあります。ほんとは、通勤など外出せず、一日じゅう家にいられたら、と思っています。

今のところ、それはかなっていませんが、夜や土日はわりとひとりでいられるし、家族もそれを認めてくれています。なので、100%ではないですが50%は満足な状態です。大事なのは、この状態をわたしが幸せと受け止めるかどうか、ということです。

45 小さな喜びを集める

幸福は、なにも「強烈なひとつ」である必要はないのです。小さな何かがたくさん集まることも、幸福につながると思います。

問題は、小さいこともあなたが「それを幸福だと思う」と決められるかどうかです。

さきほどの「引きこもって暮らす」は、わりと大きな幸福です。それはもちろん、もっと小さな幸福がふつうの暮らしにいっぱいちりばめられているよ、という話です。

イライラしたり、時間とか心に余裕がないと、小さな幸福に気づかずに通り過ぎてしまいます。
たとえば、「ありあわせの材料で作った料理がおいしかった」とか、「家族みんなでごはんが食べられた」とか、「いつも行かない道で、かわいい猫に出会えた」とか、そんなことが小さな幸せです。

小さな幸福を見逃さないように、いつも「幸せアンテナ」を張っていられるように意識するようにします。それができるかどうかが、「つまらない日常」or「小さな幸せを積み重ねる日常」の分かれ道になりそうです。

まとめ

みんな、幸せになろうと、なにかしら考えたり、行動したりしているはずです。たとえば「ただがむしゃらに働いて収入が増えれば、幸せになれるはず」とか。でももしかしたら、それは思考停止かもしれません。

そうではなくて、まず 「自分がどんなことを幸せと感じているのか客観的に観察する 、そしてよく考えてこれが幸せだと決める」ことが必要です。それから、その決めたことに向かって行動すればいい、ということを教えてくれる本でした。

余談ですが、こちらの本は電子書籍では見当たらず、紙の文庫本を購入しました。やっぱり紙の本いいですね。ページをめくる感じがたまりません。