ハックは苦悩ののち生み出された!【「発達障害の僕が『食える人』に変わったすごい仕事術」借金玉】【発達障害】【ADHD】

生きていくのがなんとなくツライ、でもなんとなく生きていくことができている、そんなぼんやりとした不安を持ちながら生きています。でも、この本を読んで、著者と比べたら、イージーな人生だなと思いました。

この本の著者、借金玉さんは、ADHDという発達障害を持たれた方です。

発達障害、最近よく聞く言葉ですね。「社会的な、つまりは人との関わりが難しい障害」だそうです。

その発達障害を持つ著者が、不動産の営業マンとして働くようになるまでに、生み出された知恵、工夫、考え方を、Hackとして31個あげています。そのHackたちは、日常生活でためになるものもありますし、弱っていた心にあたたかく響くものでした。

おおまかな内容

発達障害をもつ著者の借金玉さんの半生についてお伝えします。小中学校は、登校拒否を繰り返すも卒業、高校も何とか卒業したのち、大学に入学するもすぐ中退、その後別の大学に入学し、金融機関に入社。

しかし、仕事がこなせず、人間関係もうまくいかないので、退職。起業し、一時は軌道に乗るも、うまくいかず無職に。その後、不動産の営業マンとして働くようになります。

発達障害をかかえて、そこまでたどりつくのは大変な道のりだったようです。その過程で、生み出された知恵・工夫・考え方の数々を、Hackとして披露してくれています。

その生み出されていく過程を見ていくと、なんとか生きていこうとする著者の必死さ、けなげさに涙が出ます。思いもよらない、苦労をされてきているのです。

また、精神科医などの治療者でなく、発達障害をもった本人自らが、経験を語るところにが生々しく、痛々しいほどリアルです。

心に刺さったところ4つ

心に残ったところを、4つ引用します。

Hack17 今すぐ「茶番センサー」を止めろ

理想は、怜悧に茶番を茶番と認識しながらも、同時にその茶番に向かって全力で突撃していけるマインドセットです。世界は茶番です。無意味でくだらないクソです。でも、勝ちたかったら全力を出すしかないわけですよ。

「つまるところやるしかない」という局面は人生において多くあります。そういうときにすかさずリミッターを外すことができれば、かなり楽になる。それは、「やるしかない」という局面において不要な錘そのものですから。

ここでいう茶番とは、たとえば「記者会見する政治家、プラカードを持って道に立つ運動家、リクルートスーツを着て就職活動をする学生、ボランティア活動をする人々」が挙げられています。「やらなくて済めばそれに越したことはないくだらないこと」です。

気持ちいいほどの、いさぎよい心構えです。まず、なんのためにやるのかわからない、くだらないことを、「茶番」認定します。そして、その「茶番」は生きていくのに必要であれば、モヤモヤと心に引っかかりながらやるのではなく、「やるしかない」と躊躇なく思いっきりやりきる。

さっさとやったほうが、評価もされるし、結果も出るし、なにより自分の心の負担が少なくてすみます。ブレーキをかけながら、アクセルを踏むようなことをすると、精神的にキツイし、中途半端な結果になるからです。

理不尽だと思っても、自分の中にもうひとり別の人格を作って、やりきるようにしています。仕事上の付き合いの人との雑談は、そう思いながらやり切っています。

Hack19 発達障害の僕でもできた、最強の「二度寝」防止法

具体的に言うと、寝起きでもあまり抵抗なくやれる小さな動作を起床ルーチンとして取り込むのがとても便利です。僕の場合は、枕元から1メートルほど離れた場所にカフェインの入った飲み物のペットボトルを1本用意して、目覚まし時計が鳴ったら何はなくともこれを取りに行って飲む。

朝起きるのに必要なのは、気合でも意志力でもありません。1つの小さな動作であると、著者は言っています。

わたしは、朝起きること自体はそんなにつらくありません。ですが、困るのは、起きるべき時間より早く目が覚めてしまって、イヤなことばかり(主に仕事のこと)考えてしまい続けることです。

目が覚めた次の瞬間、「今日はアレとアレとしなきゃな…ヤダヤダ、もう仕事したくない」と脳が勝手にイヤなことを思い出してくれて、朝からすごく消耗します。イヤなことを反芻するという、精神的に絶対よろしくない時間です。

ただ、著者のように、なにか動作を入れることで、その反芻はわりと和らぎました。その動作とは、明るい心理学とでも言いましょうか、具体的には、YouTubeで「心理カウンセラー・ラッキー」さんの動画を流し続けることで、なんとかマシな状態になりました。

画面は見ず、音声だけ聞いている状態です。夢うつつの状態で、とぎれとぎれでプラスの言葉が入ってくると、イヤなことを考えないですむようになりました。イヤなことを考えそうになったら、ラッキーさんの音声に意識を集中させるようにしています。

最近は、これで乗りきっています。これをやるとやらないのでは、一日の気持ちの保ちぐあいが全然違います。

Hack26 休日に全く動けなくなったらすべきこと

また、このときに良くないのは、インターネットで大量の情報を摂取することです。あれはうつ状態でもやれるにはやれますが、実際のところ脳が疲れ切るだけです。

そんなときに一番最初にするべきは「何もしない」ことです。「自分は今不調である。だから何もせずに休む」というのは、意志ある行動なのだと理解してください。

最近、ありました。休日どころか平日も動けなくなってしまったこと。とても時間をかけて準備を積み上げてきた仕事がありまして、それをお客さんから断られてしまったことがありました。

人様から見れば、たいしたことがないのかもしれませんが、わたしには大ショックでした。その後、ほかの仕事もしたくないし、なんにも楽しいと思えないし、ゴハンも別に食べたくないし、家でひとりで引きこもっていたい、と考えていました。

そういうときに、ネットは危険ですね。自分のこの悲惨な精神状態をなんとか立て直そうとして情報を探す一方、「仕事 したくない」「なんにもしたくない」で検索したりして、結果、いろんな情報を取り込みすぎて、脳が休まらず、余計不安になりました。

ごちゃごちゃ動かず、「休む」のが大事なのですね。そういうときは、睡眠も足りていないでしょうから、たくさん眠るのも大切でしょう。「休む」ことを許す、「休む」と決めてしまう気持ちが必要です。

また、そういう底のような状態にならないようにする「予防」も必要かもしれません。そのために、「落ち込んだり、不安になったときにすることリスト」を作ってみました。

何か別の本で読んでやってみたのですが、気分が下がったときにすることを100個リストアップしたのです。で、実際気分が下がったときにそのリストをながめて、やれそうなことをやってみるのです。

作るのが面倒でしたが、効果はありました。落ち込んだときって、その落ち込みに気持ちが集中してしまって、対処法まで頭が回らなかったりします。そういうときに、あらかじめリストがあれば、なにか手を打つことができます。

たとえば、王道では「呼吸瞑想する」「筋トレをする」「ストレッチをする」がありますし、その他「靴を磨く」「甘い菓子パンを食べる」「『おっさんずラブ』を見る」「マンガを読む」をリストしています。

Hack30 自己肯定に「根拠」はいらない

自己肯定は無根拠であるに越したことはないのです。根拠のある自己肯定は、根拠が失われれば消え去ってしまう。では、無根拠な自己肯定を手に入れる方法は何か。それは無根拠に他者の生を肯定することそのものだと思います。他者を肯定した分だけ、自分も肯定していいという考え方です。少なくとも、自分の生を無根拠に肯定するよりは他者の生を無根拠に肯定するほうが簡単です。

なんだか仏のような教えです。ほっとします。

対して、「~だから、あなたは生きていていい」、こんな条件付きの考え方だと、その「~」の根拠が失われたとき、生きていることが許されないことになってしまいいます。たとえば、「がんばっていれば、生きていていい」とか。

「~」は、ほかには、学歴、社会的地位または収入とかでしょうかね。

そういえば、LGBTの人たちを「生産性がない」と表現した国会議員がいたような気がしますが、この場合の「~」は「生産性」になるのでしょう。

生きている根拠を、ある時は持っていても、将来失われる可能性はだれにもあると思います。根拠が失われた瞬間、もう生きていてはダメという考え方を持っていると、とても苦しい人生になりそうです。

ところで、「働かざる者食うべからず」という教えがありますね。これは、昔から言われてきたことですし、非常に納得して使ってきたことばです。

このことばは、心も体もいい状態のときには、いい方向に作用します。はりきってがんばれる気がします。しかし、心または体が不調の時には、マイナスにはたらく言葉だと思いました。

上記でも書いたとおり、仕事もできないくらい、心が落ち切った状態のときに、このことばを思い出してしまってつらかったです。

「仕事できないなんて、ダメな人間だ。ゴハンとか食べていいのかな。食べる価値、わたしにあるのかな」と考えて、涙が出てしまいました。極端に弱ってしまっている状態だったからかもしれません。

でも、たとえば、友達が精神的に落ち切っている状態になっていたとしたら、そんなこと言いませんよね。「だいじょうぶだよ。ゆっくり休んで」って声かけますよね。だから、理由はなくとも、根拠はなくとも、自分にもOKを出していいのです。

イヤなこと、つらいことの正体を明らかにしている

著者は、イヤなこと、つらいこと、できないことについて、その正体を鋭く分析して、対策を生み出していきます。生きていくために必要な、必死のプロセスだったのでしょう。

著者のイヤなこと、つらいこと、できないことは、全部とは言いませんが、わたしもうすうす同じように感じていることです。でも、違和感がありながらもなんとかこなせてしまって、問題が発生しませんでした。だから、分析したりしてきませんでした。「そんなもんだろうな」と思って、やり過ごしてきたんですね。

それを、著者はこれでもかと深掘りしていました。目からウロコだったのと、なにがあってもなんとか生きていけると、心をあたたかくしてくれました。感謝です。

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