捨て方指南の本ではありません【「ぜんぶ、すてれば」中野善壽】


いわゆる、断捨離やミニマリストの本かと思いました。
著者は「片付け」を生業とする方ではありません。

著者は中野善壽さん。
寺田倉庫株式会社の元代表取締役社長でいらっしゃった方です。
調べてみると、経営改革で手腕を振るわれた方のようです。

が、今回の本は経営についての本ではありません。
「持たない生き方」の本です。

「稼いだカネは全部寄付、家も車も持たない…寺田倉庫社長の変な人生」
そんな度肝を抜かれたタイトルの記事も見ました。

持たないこと、捨てること。
それはモノについてもですが、
仕事・考え方・生き方にまで範囲が及んでいます。

どんなことをおっしゃっているのでしょうか。
いっしょに見ていきましょう。

そうしようと思ったところ4か所

1.また買えばいいじゃない

本は読んだら捨てる(古本屋に売る)。 どんなに感動した本でも、とっておくことはしません。
しかしながら、良い本はしばらく経つとまた読みたくなる。 そんなときは、また新品を買うのです。

ぜんぶ、捨てる

わたしはわりと捨てるのは得意なほうですが、
感動した本はとっておきたい、と思ってしまいます。

なぜなら、また読み返すことがあるかもしれないから。
ないかもしれないですけど。

そして、
紙の本であればラインを引き、
電子書籍であればハイライトを付けます。

ただ、また読み直すときに
その以前に引いたラインなりハイライトなりは
邪魔に思えませんか?

それに引きずられて読んでしまうというか、
先入観を持って読んでしまうというか、
新鮮な気持ちで読めない。

はー、だったら買いなおせばいいんですよね。
本なんてたいした金額じゃないのですから。

小さなことですが、執着を持たないということですね。

2.一度決めたことでも、ひるがえしていい

状況が変われば、行動も変えなきゃいけない。 二時間前の自分の発言にとらわれて間違った判断をするなんて、 あっちゃいけないことだと思います。
「これが正しい」という〝絶対〟はどこにもない。 自分の判断さえ、決めた瞬間から疑っています。

あるがまま、働く

「一度『こうしよう』と言った手前…」みたいに
公言してしまったことって、
なんだか変えづらくないですか?

妙に一貫性を持たなきゃいけないと思ってしまったり、
自分の判断が違っていたことを認めたくなかったりして。

著者の言うとおり、
状況が変われば、情報が追加されれば、
判断が変わるのは当然ですよね。

「どう切り出そうか…」
とかウダウダ取り繕ってないで、
さっさと「やっぱり前のはナシで、こうします」
と言ってしまいましょう。

理由がわかれば、人間、案外納得してくれるものです。
最近そう思います。

3.やらなきゃいけないと思い込んでる

向き不向きがよくわからなければ、 もっと単純に「やりたいか、やりたくないか」で判断したっていいと思います。
どうも気持ちが向かないのに「あれもこれも、なんとしてでもやらなければ」と、 なんでも抱え過ぎていてはいけない。

あるがまま、働く

本やネットで、
「ああしなさい、こうしなさい」と指示される。

SNSで、
他の人はこうしてる、と目に入る。

「自分もこうしなきゃ!」という情報が、
毎日洪水のように流れ込んできます。

そうなると、強迫観念で動いていて、
「実はたいしてやりたくないこと」を
「やりたいこと」と勘違いしているんじゃないかと
思うことがあります。

がんばっても続かないことは、
やはりたいしてやりたくないことなんでしょう。

わたしの英語学習のように。

4.自分の行動を支える思想をもってみたら

僕の場合は空海でしたが、自分の行動を支える思想が何か一つあるといいかもしれませんね。
何も難しく考えず、いろんな人の話を聞いて、 「あ、わかる気がする」「自分がずっと感じていたことと同じだ」 と共感を示すことから始めればいいんじゃないでしょうか。
自分の価値観を自力で整理するのは大変な作業ですが、 すでに思想として体系づけている先人はたくさんいるので、 ピンと来る人を見つければいいと思います。

今を、楽しむ

空海のような、思想の大家を心の根底に持っていると、
気持ちも安定しそうです。

しかし恥ずかしながら勉強不足ゆえ、
宗教も哲学もよく分かりません。

そこで、思いました。

今はブログや動画などで、
個人が自分の思っていることを発信している時代です。

そのなかに、
「あ、わたしもそう思ってた!」と
思うことないですか。

ただ自分の中で、
モヤモヤとしたまま言葉にできていなくて、
それを分かりやすい言葉にしてくれる人っていますよね。

以下は、わたしの例です。

YouTubeで「かぜのたみ」さんという方が、
「ポイントを集めるためにお金を使っている」と
おっしゃっていました。

ポイントに対して、
おトクと思ってはいましたが、
なんだかモヤモヤする気持ちもありました。

かぜのたみさんは
「ポイントに自由が制限されている」というのです。

具体的に言うと、
「ポイント5倍デーだから何か買わなきゃ」だったり、
「ポイントを倍にするために、ちょっとしたものを買い足す」
だったり。

店側に行動を支配されているということなんです。
なるほど。

自分のモヤモヤを、
明確に言葉にしてくれてるのを見ると、
スッキリしますよね。

ちょっと例が卑近すぎましたでしょうか…。
著者の言っていることと違う気もします…。

【まとめ】話し言葉なのでスーッと入ってくる

インタビューによって、
著者の話し言葉でつづられているので、
心にスーッと入ってきます。

また、すごい人なのでしょうが、
程よく力の抜けた語り口が
まったく圧を感じさせません。

ほかにもいろいろ紹介したかったのですが、
読む人それぞれに心に刺さる箇所があるでしょうから、
これくらいにしておきます。